食育講座「子どもの基本食」を9月14日若草助産院にて開催しました。今回は親子3組と看護学生2名の参加がありました。
日本人に合った食べ物とは
そもそも何を食べたらいいのかということから話は始まりました。他の動物たちは本能的に自分たちが何を食べるべきか知っていますが、ヒトは違います。食べ物が少なかった時代は、生きるために何が食べられるか必死に探していましたが、飽食の時代に生きている現代日本人は、有り余る食べ物を前にして、何をどう食べたらいいか分からない状態にあると言えます。当然ですが、私たちの体は私たちが食べた物でできています。何を食べるのかということはとても大切なことです。成長期の子どもたちにとっては尚更です。私たちは考えて食べなければいけないのです。
講座では、まずヒトに合った食べ物はどんなものか、日本人に合った食べ物は何かについて考え、その後子どもの食生活と健康の状況を考察しました。肥満やアレルギー疾患などが増えています。これらは食が主たる原因と思われます。子どもは大人以上に日本人に合った食事を取る必要があります。
- 成長期の子どもの食はとても大切
- 子どもの10人に1人が肥満
- 子どもの肥満は成人の肥満につながりやすい
氾濫する食の情報に振り回されないことが大事
子どもが生まれてから食への関心が高くなるお父さんお母さんは少なくありません。しかし世の中には、さまざまな食に関する情報があふれていて、どれが正しいのか判断することは簡単なことではありません。育児経験のある身近な家族、知人・友人はもちろん、テレビ、新聞などのマスメディア、書籍、ネット上にも多過ぎるほどの情報があり、日頃悩んだり、疑問を持ったりしている方は多いと思います。大事なことは、食に関する基本的な考え方を知ることです。ここをしっかりと抑えて理解することができれば、「○○にこう書いてあった」とか、「専門家が○○と言っていた」とかいうことにあまり振り回されなくなります。
- 幼少期は穀類・芋類中心
- 毎日の食事は和食中心(ご飯と味噌汁)
- 苦手な野菜は無理しなくていい
- おやつ≠お菓子
食と健康に関する研究はまだまだ発展途上です。これから新しい知見がたくさん出てくるはずです。基本の考え方をつかんだ上で、自分なりに考えて新しい情報を取り入れていくことが大切です。食に関する情報は、商業主義でゆがめられることが多々ありますので、大手メディアや企業はもちろん、国や自治体の情報であっても鵜吞みにすることはとても危険だと意識しておく必要があると思います。
食養指導士 小林哲朗