産後支援ステーションははこ庵オープン

若草助産院太腕繁盛記⑤WHO「ポジティブな出産体験緒ための分娩期ケア」和訳できました(^^)/

2018年にWHO「ポジティブな出産体験のための出産ケアガイドライン」が出されました。和訳されておらず、探して、探して、やっと見つけたのがJICA保健医療タスクNL VO49でした。

https://www.jica.go.jp/activities/issues/health/ku57pq00000wwjhn-att/panf_hoken49.pdf

その後、筑波大学の方々が和訳した分娩期ケアが出されました。

file:///C:/Users/masayo-kobayashi/Desktop/WHOポジティブな出産体験のための出産ガイドラインについて.pdf

サブタイトルもとても素敵で「母子のより良い健康と幸せのためのケア変革」です。要約ですが、一部抜粋すると、「ポジティブな出産体験とは、女性がそれまで持っていた個人的、社会文化的信念や期待を満たしたり、あるいは超えたりするような体験です。臨床的にも心理的にも安全な環境で、付添人と、思いやりがあって技術的にすぐれた臨床スタッフから実際的で情緒的な支援を継続的に受けながら、健康な赤ちゃんを産むことを含みます。これは、ほとんどの女性は生理的な出産を望んでおり、意思決定に参加して個人的な達成感やコントロール感を得たいものだと、という前提に基づいています。たとえ医療介入が必要だったり、産婦が介入を望むような場合であっても同様です」

上の文章だけでもとても共感です。お産は単なる通過点でなく、個人にまつわるすべてに影響する体験であり、当事者主体でなくてはいけない。というガイドラインです。これには「ポジティブな出産体験緒ための分娩ケアについての推奨リスト」が掲載されており、・出産全期にわたって行われるケア・分娩第1期(陣痛開始~子宮口がすべて開くまで)・分娩第2期(子宮口がすべて開いて~赤ちゃんが娩出されるまで)・分娩第三期(赤ちゃんが産まれて~胎盤が娩出されるまで)・産後早期の褥婦のケアのケアについて、推奨、推奨されない。に分けられています。中でも一番関心が高い項目は、分娩第1期(陣痛開始~子宮口がすべて開くまで)のケアの

8.分娩第1期活動期に子宮口が少なくとも1時間に1センチの速さで開大すべきという基準は、産婦によっては非現実的な進行であり、正常な分娩進行の診断に用いることは推奨されない。子宮口が1時間に1センチよりゆっくりとした進行であるという理由だけで、慣例的に産科的介入を行うべきではない。

これは助産課程の学生さんに見せるととても驚きます。学生さんは分娩進行が正常に経過しているか判断するために以下のようなフリードマン曲線を使用します。この図の通りに進行していないと分娩の進行が正常ではないと判断しているのです。

WHOは、この図の通りに経過していないからと言って産科的介入を行うべきではない。と述べていることを学生さんは若草助産院の実習で初めて知ることにあるわけです。助産院での実習は病産院での実習とは少し違います。地域に根差す。退院後のお母さん達とのふれあい、保健センターなどの行政機関との連携などなど、、、学生になって最先端の西洋医学を学び、助産院ってどんなことしてるの??という感じの態度をとってくる助産師学生さんも少数派ながらいます。私は、助産院は、わりに自然派でアンチ病院、医療というちょっと変わった助産師が働いているところ。と学生さんたちに思われたくない。と常々思っています。きちんとしたエビデンスのもとに医療連携を取りながらお産にかかわっていて、医療的な能力はとても低いですが、私たちの範疇ではなくなりそうになったら、他の高次医療へ搬送などの処置をとって、連携していることは他の医療機関と何ら変わりはない。という事を学生さんたちにはお話ししています。

それにしても、正常をつかさどる助産師がを知らないのはさすがにどうなのかな。と感じてしまうので最近は、助産課程の先生たちに正常産のエビデンスを学生さんたちが知ってから実習にきてください。とお伝えするようにしています。

すべては、安全で安楽で変革をもたらす出産体験をするために、必要なことなのだと考えています。