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ビタミンCのはなし

 

食養指導士 小林哲朗

ビタミンCは健康を維持する上で不可欠な栄養素です。犬や牛など多くの動物は体内でビタミンCを合成できますが、ヒトやサルではできないので、外から食事などで取る必要があります。

ビタミンCの摂取・吸収

ビタミンCは野菜や果物など植物性の食材にたくさん含まれています。ただビタミンCは水溶性で熱や酸素、などに弱く不安定なため、保存や加工、調理の過程で多くが失われてしまいます。体内に取り入れられたビタミンCは小腸で吸収され、血液で体中に運ばれますが、特に副腎、脳下垂体、水晶体、白血球に多く存在しています。それらの場所でたくさん消費されるからです。

ビタミンCのはたらき

ビタミンCは皮膚や骨などを構成するコラーゲンの生成に不可欠です。コラーゲンは細胞と細胞をつなぐ役割を持つタンパク質で、体内に含まれる全タンパク質の約30%を占めます。ビタミンCが不足するとコラーゲンが十分に作れず、血管がもろくなり、出血しやすくなります。これが進むと壊血病になります。

またビタミンCのおもな働きの一つに抗酸化作用があります。体内で発生した活性酸素を無害化することで、老化を遅らせたり、病気を予防したりします。他にも免疫力を高める、抗ストレスホルモンの生成を助ける、植物性の非ヘム鉄の吸収を助けるなどビタミンCにはさまざまな働きがあります。またがん治療の一つとしての高濃度ビタミンC点滴療法など新しい分野での研究も進んでいます。

ビタミンC を多く含む食品

果物ではアセロラ、柑橘類、キウイ、いちご、柿など、野菜ではピーマン、ほうれん草、ブロッコリー、ゴーヤなど緑黄色野菜全般にビタミンCが多く含まれています。またジャガイモやさつまいもなどの芋類のビタミンCは加熱しても壊れにくいのが特徴です。

サプリメントからの摂取

ビタミンCは新鮮な野菜や果物など食事から取ることが基本ですが、水溶性ビタミンのため体内に蓄積することが難しく、こまめに取ることが必要となります。しかし現代は加工品を食べることが多くなったことや、栽培されている野菜に含まれているビタミンCの量そのものが昔に比べて減ってきていることなどからサプリメントで取るということも一般的になってきています。

サプリメントの違いとしては、天然由来か或いは合成されたものなのか、またビタミンC以外にどんな成分が含まれているのかということがあります。そしてビタミンCは空腹時に摂取した時の吸収率が低いことが分かっていますので、食後に取ることがおすすめです。ストレスが多い現代社会においては、ビタミンCはより必要とされています。過剰摂取のリスクは低いと考えられていますので、食事とサプリメントの両方から取ることがいいかもしれません。