理事長 小林哲朗
年が明けてからも新型コロナ関連の報道が連日これでもかというくらい流されています。「感染者数が過去最高」、「日曜日としては2番目に多い」「重症患者で病床がひっ迫して医療崩壊の危機にある」とか。煽っている感満載ですが、実際のところどうなのか少し情報を整理してみました。
日本の被害は他国と比べて大きいのか
世界各国の新型コロナウィルスの感染状況を比較してみると、2021年1月20日現在でアメリカの感染者数が累計2,400万人余り、死者数は40万人余りでダントツです。日本は感染者が33万人、死者数は4,500人となっています。アメリカの死者数は日本の約百倍、桁が2つ違います。ちなみに人口を比較するとアメリカは日本の約2.7倍です。全般的にアジア・アフリカに比べて欧米での被害が大きくなっています。
インフルエンザと比べてどうなのか
日本における新型コロナの脅威は、インフルエンザ並みかそれ以下で、若い人で重症化する人が少ないのが特徴と言われていますが、数字で見るとどうなのでしょうか。近年の日本の季節性インフルエンザの死者数は、直接的な死因としては3千人前後、関連死を含めて1万人程度と言われています。新型コロナの場合は、死者数がそれ程増えないであろうと早い段階で分かったので、昨年4月から、直接的な死因でなくとも陽性であれば全てコロナの死者数に入れることにしましたが、それでもインフルエンザに比べて死者数は少ないです。ちなみに、肺炎で死ぬ人は年間十万人くらいいるので、新型コロナが他の風邪やインフルエンザと比べて脅威であるとはとても言えませんし、それどころか、これだけ騒いで20歳未満の死者数が今だにゼロというは驚きです。
本当に医療崩壊の危機なの?
新型コロナ患者の受け入れ病床がひっ迫し、医療崩壊の危機にあると盛んに報道していますが、実際のところはどうなのでしょうか。前述の通り、日本の感染者数は欧米諸国に比べるとはるかに少ない一方で、人口当たりの病床数は世界一多いと言われています。それなのに医療崩壊?
理由の一つは、日本の病院は民間経営が7割であるということにあります。民間なので経営的に損になることはやりたくない。つまり、多くの病院はコロナ患者を受け入れず傍観しているのです。公立を中心とした限られた施設が必死に対応して「大変だー、大変だー」となっているのです。
ではどうすればいいのか。大して脅威でないことは分かっているので指定感染症から外して5類感染症とし、インフルエンザ並みの対応にすればいいだけです。しかし、今の感じでは、やはりシナリオ通り、ワクチン接種まで引っ張るのでしょう。ワクチンを接種しても感染拡大は抑えられませんが、暖かくなって感染のピークが過ぎた頃に接種すれば、ワクチンのおかげと言うことができるでしょう。でも秋にはまた流行するのでまた接種、無限ループの完成です。
(会報「満月」2021年1月号に掲載)