理事長 小林哲朗
夏バテとは、夏の暑さによって自律神経が乱れ、それによって起こるだるさや疲労感のことです。本格的な夏が来る前に夏バテの予防・対策を考えておきましょう。
自律神経を整える事が大切
夏バテを防ぐためには自律神経を整える必要がありますが、今年は新型コロナウィルスの一連の騒動の事でストレスを感じる事が多いので、自律神経が乱れている人はいつも以上に多いと考えられます。自律神経は交感神経と副交感神経とからなり、この2つがうまくバランスを取ることで健康な状態を保つことができます。現代社会はストレス社会とも言われ、現代人は交感神経優位になりがちです。ですから、私たちは意識して副交感神経を高めることをすることが大切になります。
副交感神経を優位にするポイント
- 十分な睡眠を取る
- リラックスし、深い呼吸を心掛ける
- ぬるめのお湯にゆっくりつかる
- バランスの良い食事を取る
- マッサージやストレッチを行う
意識して取りたいビタミンB群
夏は食欲がないため麵類などを食べることが多くなり、またアイスを食べる機会も多くなるので栄養が糖質過多になりがちです。糖質の代謝にはビタミンB1が大きな役割を果たしますが、日本人の多くが普段から摂取量が足りないと言われています。このため、糖質の摂取が増える夏は通常より不足することになるので、是非積極的に摂取したいものです。ビタミンB1が多い食品には植物性のものでは玄米やそば、枝豆などがあり、動物性のものでは豚肉やかつお、ウナギなどがあります。
清涼飲料水の飲み過ぎに注意
夏は喉が渇くとついつい清涼飲料水を飲んでしまいがちですが、スポーツドリンク1本あたり角砂糖7~9本分くらいの糖分が入っていると言われているので、飲めば飲むほど喉が渇くという悪循環に陥り、しかも糖分の取り過ぎになってしまいますので注意が必要です。
飲む点滴「甘酒」
最近人気の甘酒は、夏のエナジードリンクとしておすすめです。甘酒というと冬のイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、江戸時代は夏によく飲まれていたそうです。甘酒には酒粕から作るものと、米麴から作るものとがありますが、麴から作る甘酒がおすすめです。ビタミンB群やアミノ酸、ブドウ糖、食物繊維などが豊富で飲む点滴とも呼ばれています。
経口補水液とは
経口補水液という言葉も時々耳にしますが、これは食塩とブドウ糖を混ぜて水に溶かしたものです。普通の水よりも腸での吸収が良いため、脱水症状が起きた時に飲みます。
(会報誌「満月」2020年7月号に掲載)