産後支援ステーションははこ庵オープン

いいお産の日のイベントにて

理学療法士 井土麻子

いいお産の日のイベントにて、抱っことおんぶの相談会を担当いたしました。祝日の開催でしたので、会場となった若草助産院の待合室は、参加者と我が家の未就学児が集まって終始にぎやかになり、また、参加者の皆さまの熱気であふれる時間となりました。

今回は、50分ずつの入れ替え制3回で、定員は各回3名とし、個別対応ができるよう配慮いたしました。完全プライベート対応の時間帯や、満席で参加者のお母さん同士の情報交換が活発に行われた時間もありました。どの回も時間があっという間でした。それぞれのニーズは、「お母さまから兵児帯を譲ってもらったので、おんぶの練習がしたい!」「自分に合った抱っこひもはありますか?」「もともと腰痛もちなので、楽にできる抱っこの方法を知りたい!」「ベビーラップのバリエーションを増やしたい!」等でした。自身でSNSなどにて情報収集をしていても、やはり対面での指導でしか得られないことや満足感があった、という感想を複数いただきました。ありがとうございました。参加者のなかには、子供とのだっこやおんぶの時間が、道具やからだの使い方ひとつで楽にも辛くも変えられるということをご存じの方が多く、意識の高さを感じました。
さらには、発達心理学の領域などにて、月齢8、9か月頃にみられる共同注視が社会性を育む機会になるといわれているのですが、そのためにおんぶの習得を希望されたお母さんもいらっしゃいました。子供の自然な発育をサポートする気持ちにあふれていて、私が嬉しくなりました。

抱っことおんぶは、単に子供を運搬することではありません。保育者と子供、双方にとって肌が触れ合うことなどによるコミュニケーションであったり、居心地のよさを感じたり、何かを同じ高さから一緒に見る時間であったりします。私は理学療
法士なので、お母さんと赤ちゃんの姿勢と発達などを主にみながら、抱っことおんぶのことを対象者と一緒に考えていきますが、基本は、保育者も子供も、安全で楽しく温かな時間を過ごせることです。きっと、子供の人生の土台づくりの助けとなる時間になると信じています。

若草助産院での抱っことおんぶの講座初回開催を思い出すと、現在では様々なニーズにも応えられるようになり、私自身がブラッシュアップしてきた実感があります。これからも、いいお産、育児のために、地域のみなさんと一緒に何か行っていけるよう、精進いたします。