食養指導士 小林哲朗
6月4日玄米酵素の千葉県担当の水見さんを講師に招いて食と健康の学習会を開催しました。今回は糖尿病をテーマにお話ししていただきました。
妊娠糖尿病の増加
若草助産院でも3~4年くらい前から血糖値が高いと指摘される妊婦さんが現れるようになりました。糖尿病は国民病とも言われるほどその患者数は増えていますが、妊娠糖尿病と診断される妊婦さんも顕著に増加傾向にあります。診断基準が厳しくなったこともありますが、水見さんによれば全体の7~9%にも及ぶそうです。妊娠糖尿病は、妊娠中に発症、または発見された比較的軽い糖代謝異常ですが、妊娠前から糖尿病を発症していた糖尿病合併妊娠や、妊娠中の明らかな糖尿病のケースもあるので、糖尿病のリスクを抱えて妊娠・出産に臨む人はこれよりかなり多いと考えられます。妊娠すると胎盤からインスリンの働きを阻害する物質が出るため、妊婦はもともと糖尿病になりやすいのですが、それに加えて栄養過多、運動不足、妊娠出産の高齢化などを要因として、近年妊娠糖尿病が増えているのだろうと思われます。
1.妊娠糖尿病
妊娠中に発見、発症した比較的程度の軽い糖代謝異常
2.妊娠中の明らかな糖尿病
よりも程度が重い、明らかに糖尿病といえる状態
3.糖尿病合併妊娠
糖尿病と診断されていた人が妊娠した状態
助産院での対策
助産院での対策は、おもに食事指導と玄米酵素です。糖質を控えるというのが基本的な考えにまりますが、妊婦の場合は減らし過ぎにも注意が必要なので難しいところがあります。お腹が空くので、おやつに甘いお菓子を食べている人が少なくないのでまずはそこから見直します。
WHOは砂糖の摂取を総エネルギー摂取量の10%未満とすること推奨しており、さらに健康のためには総エネルギー摂取量の5%未満までに減らすべきとしています。体重にもよりますが、10%だと50g、5%だと25gくらいになりますが、これを守るのはかなり大変です。特に清涼飲料水には思った以上に砂糖や糖類がたくさん入っており、1本で1日の摂取量の上限に達してしまうものも少なくありません。しかも飲料は取りやすいため、気付かないうちに摂取オーバーになってしまう危険が高いのです。
これから暑くなるとイオン飲料を飲む機会も増えると思いますが、これにもかなりの量の糖類が入っていますので要注意です。また糖の代謝にはビタミンB1が欠かせませんが、これは玄米や雑穀に豊富に含まれていますので積極的に取りたいものです。おかずで取るより、主食で取る方が簡単ですから。食改善と玄米酵素でうまくコントロールして乗り切った人もいますが、早々に諦めたり、うまく出来なかったりした人もいます。産後の事も考えて、是非これを機会に食事やその他の生活習慣を見直してほしいと思っています。