若草助産 院助産師 小林昌代
いまや、オンライン講座は主流といっても過言ではなくなっています。会場に行く講座を見ると、いかなくちゃいけないのか。なんて思ったりして。今回はオンライン講座で、助産師に期待される妊婦の健康管理という内容だったのでみてみました。
講座内容は、低出生体重児は成人病を発症する率が高まる。という内容で、私が15年くらい前「胎内で成人病は始まっているー母親の正しい食生活が子供を未来の病気から守るー」という本を読んだのですが、作者はデビッドパーカーで監修は福岡秀興教授でした。
今回の講座はなんと!福岡教授が講演しておりました。講座は、妊婦さんの栄養状態が悪いために胎内環境も悪くなり低出生体重児が増加している。という内容で、それを改善するべく助産師の役割が重要だということでした。
内容をすこし抜粋してご紹介すると
- 妊娠中のエネルギー摂取量が少ないと、出生した子供は9歳の時点ですでに頸動脈の硬化が始まっている。
- 妊娠中毒症の妊婦に穀類の摂取を禁止して良質な肉のみを摂取指導した場合、出生児に高血圧が多発した
- 妊産婦さんへの食生活指針は「主食」を中心にエネルギーをしっかりととる
- 「主菜」を組み合わせてタンパク質をとるなど、10項目ある
- お母さんだけでなく、お父さんの食事指導も大切
- 受精から14日に急激に臓器が作られ始めている。妊娠を知る前に遺伝子のダイナミックな改変が起きているので、妊娠前から両親の栄養状態が(受精前から100日)大切になっている
- 妊娠初期、中期、末期で見ると妊娠初期、つまり、妊娠がわかる前の妊娠のごくごく初期の栄養状態がとても重要で胎児に影響を与えている。常日頃から健康管理が必要
- BMIが低い母親は早産率、低出生体重児が高まる
- BMI21~24が日本人の女性の健康的な状態といえる
- 妊娠前は、1,950キロカロリーの摂取がのぞましい
などなど・・
中でも、一番今日意味深かったのは、一卵性双生児の出生体重が大きい方と小さい方で成人になって比較してみると、出生体重の低いほうが糖代謝に問題がある。ということでした。産まれてくるときの体重はその後の人生に大きく影響する。ということを教授は述べていました。そのほかにも、いろいろお話が聞けたことはとても有意義な時間でした。なかなか助産院をはなれて講座などを受ける機会がない私にとっては、オンライン講座は本当に助かります。
この講座を聞いて、感じたことは、母親依存で生存している胎児にとって、母体が健康であることは、出生時のみならず、その後の人生までも影響する要因である。ということです。正常な代謝機能、免疫機能をもつ子を作るべく、父親も含めた健康管理が私たち助産師の大きな課題であり、役割であることを再認識しました。参加費もとてもリーズナブルなので、今後も積極的にためになりそうな講座を受講していきたいと考えています。皆様も、有意義な講座がありましたら是非教えてください。内容のシェアもお待ちしております!