産後支援ステーションははこ庵オープン

若草助産院 太腕繁盛記(10)

NPOの会報でも掲載された内容ですが、皆様の共有したいと思います。まだまだアップしていきます!男性も疑似体験できます!

 

若草助産院では、お産された方のノートを作っています。父と母のバージョンがあり、「父たちへの手紙」という名前のノートです。これは助産院での出産感想ノートなのですが、書いていただくときには、若草助産院でご出産される方に伝える感じで書いてください。とお願いしています。昔、お産に参加型の立ち会い出産をした夫がお産の疑似体験をしているのではないか。という仮説を立て、疫学者の三砂千鶴さんが考えた、変革を及ぼすような出産体験評価。というスケールを使って立ち合いした夫さんと妻にアンケート調査をしたことがありました。これは母性衛生学会でも発表したのですが、この結果で夫たちは、お産の疑似体験をしているようだ。という事がわかりました。そこで、お若草でお産の方々が書いてくださっている、父親への手紙を抜粋して、お父さんたちがどのような出産体験をしているのか少しご紹介します。

「無事に次女を出産しました」

若草スタッフの皆様のご指導により、妻も出産できる体が整い、いよいよ陣痛となった後も妻の気持ちを最優先していただきながら、的確な判断で一度の不安になることがなく、出産に導いていただきました~中略~初めて妻から若草で出産したいと聞いたとき、正直あまりに力ではありませんでした。長女が病院出産だったことや、自宅近くに産婦人科が複数あったことから、わざわざ車で20分以上かかるところに通わなくてもいいのでは?と左脳的思考のためです。しかし、若草の雰囲気やスタッフの皆様の温かさに触れ、自分の生活を見る見つめなおし、穏やかな出産を迎えたい!若草ならそれができる!と直感的に感じた妻の目と表情を見て、私の同じ気持ちになりました。今では皆様を信じて当日を見変え、本当によかったと改めて感じています。

⇒最初はあまり乗り気ではなかった夫さん、そういう方は多いです。ですが、妻がどんどん元気になる姿を見て、お産を楽しみにする姿を見て、安心してその選択を受け入れていくのでしょう。妊娠経過も疑似体験しているみたいですね

 

「第1子出産」

この度、若草助産院で初めてのお産を無事に終えることが出来感謝の気持ちで一杯です。最初妻が「助産院で産みたい!」といったとき、驚きと不安が私の中で駆け巡りました。なぜなら私は医療従事者という事もあり、病院の方が安全なのではないかと考えていたからです、しかし、心配性な妻を温かくサポートしていただいて身体的なケアだけでなく、精神的なケアもして頂いたおかげで妻は前向きな気持ちで出産に挑むことが出来たのではないかと思っております。妊娠中、体を冷やさないようにと一緒に温灸をしたり、マッサージしたりと、私も妻と一緒によりよい出産ができるように出産に真摯に向き合うことが出来たのはきっと助産院のおかげだと思います、妻が陣痛で 助産院を訪れたのはAM12:00と夜遅かったのですが最後の最後まで親身に寄り添って頂いて本当にありがとうございます。子どもが産まれるという一大イベントをこんな素敵な場所でこんな素敵な人たちと経験することが出来て自分は幸せ者です!!

⇒経験と言う言葉でお産を表現していますね、もう完全に疑似体験しているのだと思います。やはり妊娠中からともに歩むことで出産の醍醐味を味わうことできたのではないかと考えます。疑似体験はお産からではなく、妊娠中からともに歩むことで始まるのかもしれません。最初は不安だった夫さん達が妻の話を聞き、順調な妻の様子を見ることにより、お産への準備が整っていく、まさに妊婦さんと同じ経過をたどっているように思います。お産は子育ての第1歩そして妊娠中にともに歩むことは、お産の疑似体験への第1歩と考えていいのではないでしょうか。夫が協力してくれないと嘆くよりも、まずは妊娠中、お父さんを蚊帳の外にしてしまうのではなく、ともに歩めるように、お産への準備ができるように働きかけていくことが重要なのではないでしょうか。私たちも、妊婦健診中は夫さんへの参画も意識して健診をしていかなくてはいけないと再確認しました。ご家族ともにいいお産の体験ができるよう、若草産婆一同、頑張っていきます。