産後支援ステーションははこ庵オープン

Tender Loving Care (テンダーラビングケア)

昨日、県の不妊相談従事者研究会というところが主催の、「不妊症・不育症治療について」の講座に行ってきました。最近の治療の動向や、詳しい成功率、患者さんが不安に感じていることなどなど、多岐にわたっての内容でした。全体的にとても勉強になったのですが、最後にTender Loving Care(テンダーラビングケア)についての話がありました。TLCと訳され医療の専門用語のようですが、私は初めて聞く言葉でした(勉強不足ですね!(><))日本語では愛護的ケアというそうです。内容は、心理精神的なサポートと、その講義の医師は話していて、とても気になってので、最後の質疑の時に詳しい内容について質問しましたが、詳しい内容は良くわからないという回答でした。TLCは流産率を低下させるとも報告していて、TLCにとても興味がわきました。

リスク不明不育症例に対するTLCの効果
報告者 産児獲得率
TLC施行 非施行
Steray-pederson.B1984年 86% 33%
Clifford K.1997年 74% 49%
厚生労働省研究班2011年 79.40% 56.90%

 

講座の後、私なりに調べてみたら、癌患者さんの終末期ケアに利用されていたり、車販売のサイトでもこの言葉が使用されていて、やさしい、愛あるケアという内容で専門用語ながら、幅広く利用されていました。文献検索もしてみたのですが、TLCについては私が利用している検索サイトでは書かれている文献はありませんでした。

 

私が見たのは、終末期の患者さんに対するTLCで、医療スタッフが最後まで寄り添い、患者さんが望めば足のマッサージや、音楽療法士がその患者さんに一番合った曲を楽器を奏でたりするそうです。まさに、愛あるケアと癒しでした!!

 

TLCについて、詳しい内容や定義はまだ見つけられませんでしたが、愛あるやさしいケアは、私たち助産師がとても得意とするところで、お手当もそれに入るのではないかと考えます。体が温まり、心がほぐれ、本当の自分の言葉が出てくる。それを否定するでもなく、冷静に自身とむきあい、新しい一歩を踏み出せるようになる。それは、治療を受けている方だけではなく、普通に生活している人たちすべてに必要なことではないでしょうか。

 

体温免疫学を説いた安保徹医師は、自然療法の共通点として・血流がよくなり・副交感神経が優位になり・リラックス効果が得られると話していました。以前、不妊治療をしている産婦人科医師が書いた文献を読んだ時も、骨盤内の循環が良くなることにより、着床率が上がった。という報告をしていたのを読んだことがあります。血流が良くなれば免疫力も高まりますし、筋肉の緊張がゆるみ、臓器にも血流がいくようになり、いい循環がおきるのではないかと考えました。そんな少しづつの良い変化が健康に関与していて、私たちが行っているやさしく体に手を触れて行うお手当は、実質を伴ったテンダーラビングケアなのかもしれないと感じました。

 

東洋医学、自然療法、西洋医学、の知識をもとに統合的に女性の体をケアできる助産師になり、妊娠前、妊娠中、産後、赤ちゃん、ご家族全ての方がたに、Tender Loving Careをしたい!!と強く考えた講座でした。NPOお産子育て向上委員会の産前産後支援者ネットワーク千葉でも、ちょっと横文字になりますが、Tender Loving Care (テンダーラビングケア)の言葉と意味を広める活動を提案していこうと思います。