産後支援ステーションははこ庵オープン

意外と知らない母乳の事

母乳育児推進のための内容がWHOと、ユニセフから出されています。私が助産師になってそんなにたっていない時に勧告が出され、大変、感銘を受けたのを覚えています。数年前には、母乳栄養だけのお子さんの成長曲線もWHOは出しています。液体ミルクなどで母乳栄養のことは言われていますが、母乳育児をしたいと妊娠中から考えている妊婦さんは9割で多くのお母さん達は母乳育児をしたいと考えています。お母さん方に母乳頑張れ!というのではなく、その思いがかなうような、支える側の知識と、意識を持つことが大事という事だと考えます。昨年、子育て支援館のスタッフ向けに母乳育児のお話しをさせて頂いたときにも、以下の内容はお話ししました。医療関係者だけでなく、現場でお母さんと赤ちゃん、ご家族を支えている方がたにもぜひ知って頂きたい基本の内容です。今後も、母乳育児あれこれ掲載していきます(^^)//ご要望などありましたらぜひ、ごれらくください!お待ちしております。

  「母乳育児成功のための10か条」

 ●母乳育児についての基本方針を文書にし、関係するすべての保健医療スタッフに周知徹底しましょう

この方針を実践する為に必要な技能を、すべての関係する保健医療スタッフにトレーニングしましょう

妊娠した女性すべてに母乳育児の利点とその方法に関する情報を提供しましょう

産後30分以内に母乳育児が開始できるよう、母親を援助しましょう

母親に母乳育児のやり方を教え、母と子が離れることが避けられない場合でも母乳分泌を維持できる

ような方法を教えましょう

医学的に必要でない限り、新生児には母乳以外の栄養や水分を与えないようにしましょう

母親と赤ちゃんが一緒にいられるように、終日、母子同室を実施しましょう

赤ちゃんが欲しがるときに欲しがるだけの授乳を勧めましょう

母乳で育てられている赤ちゃんに人工乳首やおしゃぶりを与えないようにしましょう

母乳育児を支援するグループ作りを後援し、産科施設の退院時に母親に紹介しましょう

 これは1991年に発表されたWHOとユニセフの共同声明です。母親が母乳で育児することは当然の権利であり、保健医療スタッフはそれをバックアップしなくてはいけないとされています。母乳育児支援のために母親がたくさん母乳を赤ちゃんに吸わせてあげられる環境を作ることは保健医療スタッフの役目であり、母乳代用品については下記のような国際基準もあります。

 「母乳代用品の販売流通に関する国際基準(WHOコード)」

(International Code of Marketing of Breast-milk Substitutes

1. 母乳代用品はすべて一般に宣伝してはならない。

2. 母親に無料のサンプルを与えてはいけない。

3. 無料あるいは優待価格での粉ミルク提供を含め、保健・医療機関に販売促進活動をしてはいけない。

4. 企業が派遣する人が母親に接触してはいけない。

5. 保健・医療従事者に贈り物をしたり、個人的にサンプルを渡したりしてはいけない。保健・医療従

事者は母親に製品を渡してはならない。

6. 赤ちゃんの画像を含め、人工栄養を理想化するような言葉あるいは画像を使用してはならない。

7. 保健・医療従事者への情報は、科学的で事実に基づくものでなければならない。

8. 乳児の人工栄養に関するすべての情報は、母乳育児の恩恵と優位性と、人工栄養にともなう経済コ

ストと危険性を説明していなければならない。

9. 加糖練乳のような不適切な製品は、乳児用に売り込むべきではない。

10. たとえ国がコード実施に向けて動いていなくても、製造者と流通業者はコードの条項に従うべきで

ある。

(第34回世界保健総会にて採択 1981.5.21)

(昌)