出産育児勉強会「経皮毒」

3月23日第10回出産育児勉強会を開催しました。参加者は6名、今回のテーマは「経皮毒」でした。インターネットのフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によれば、「経皮毒」とは皮膚から有害性な物質が吸収されることで、竹内久米司氏著、『経皮毒―皮膚から、あなたの体は冒されている!』(日東書院、2005年)の中で著者が使った造語で、その後広く使われるようになったとされています。

経皮毒という言葉自体は最近のものですが、こうした考え方自体はかなり以前からありました。私が初めて聞いたのは、20年以上前のことで、当時は、「農薬や合成洗剤などの毒は、経口摂取に比べて経皮摂取の方が排出されにくい」などの表現がされていました。

但し、そうした考え方や経皮毒という言葉はかなり一般的に知られるようになってきましたが、科学的にきちんとした裏付けがあるかといえば、必ずしもそうとは言えません。今回の勉強会は、そうしたことを踏まえて、「経皮毒」について盲信したり、全否定したりするのではなく、他の人の体験を聞いてみたり、自分で試してみたりして、違いが感じられるようであれば変えていこうという内容になりました。

今回取り上げた具体的なものとしては、洗濯用洗剤、台所用合成洗剤、シャンプー、シャワー、歯磨き粉、ヘアカラー、住居用有機溶剤などがありました。出産育児に特に関するものとしては、赤ちゃんのおしり拭きに使われているプロピレングリコールのことや出産のときに羊水からシャンプーの匂いがすることがあるといった話が出ました。

参加された方の発言で印象的だったのは、「合成洗剤のシャンプーや洗剤は香りがいいからどうしても使ってしまう、石鹸は臭い」というお話です。石鹸に慣れると逆に合成洗剤の香料は耐え難いものがあるので、なるほど普通はそういう風に感じているのかと少し驚きがありました。しかし考えてみれば、メーカーはより多くの人に好印象をもってもらうような香りを研究しているはずなので、皆さんがそれらを良いと思っているのはむしろ当然のことだと納得しました。 今回は、改めて身の周りのものを見直してみるいい機会になったのではないかと思いました。(哲)

<参考文献等>
ウィキペディア, http://ja.wikipedia.org/(2010/3/22参照)、小若順一 食品と暮らしの安全基金、『使うな、危険!』、講談社、2005年
おなかの赤ちゃんを守って!―化学物質から胎児を守る夫婦のメール (健康双書) (単行本) 、宮村 多樫 (著)
<参考となるHP>
経皮毒.com

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