あきらめ?病院のお産はどこも同じ?
病院でお産する人で、お産の内容にあまり関心のない人がかなりいます。話を聞くと、病院のお産はどこも同じで、希望を言っても聞いてもらえないからという理由が多いようです。お産や母乳に限った話ではなく、もともと日本の医療サービスは消費者が受身で提供されることが多く、消費者が医師と対等な立場でものが言える雰囲気がありません。何か言って、どうこうしてもらうというのは、とても大変なことに思えます。
水中出産や無痛分娩といったサービスを謳っていたり、豪華な個室や、産後のスペシャルディナーなどの医療外サービスを売りにしている所もあり、そこでこれらを選ぶ事は簡単です。しかし、立会い出産を希望して、「夫の立会いは出来ますか?」「うちでは出来ません。」と言われた時に、「何故ですか?やらせて下さい」と言える人はそんなにいないと思います。
消費者の声に耳を傾けない
医療従事者の多くは消費者の声に耳を傾けようという姿勢に欠けていると言わざるを得ません。サービス業であるという意識すら乏しいように感じます。これは役所なんかにも当てはまる事ですが、消費者の声が反映されない業界、分野はサービスの質や満足度がなかなか向上しません。
弱い立場のお客
病院にお任せして、それで不満が無ければ問題はありませんが、お任せコースに無いものを希望して、それを実現しようとすると、途端に辛くなる場合が多くなります。というのも、サービス内容が消費者の希望ではなく、医療従事者の都合によって決められている事が多いからです。言う事は出来ますが、それを通すのは多くの場合、大変です。疲れてしまいます。
聞いてもらえないのならば、乗り換える?
「気に入らなければ、他に行ったらいい」確かにそうです。しかし情報が少なく、担当する医師や助産婦・看護婦によって対応がかなり違うことも珍しくなく、行ってみないと様子が分からない事というのが実情です。変えて良い所に行けると判っているのならともかく、取りあえず行ってみないと判らないという状況の中で病院を変えるのは簡単ではありません。嫌で面倒な検診をまた受けて、結局同じということもあるわけで、それなら少し我慢しようかということになるのです。

お任せコース以外のメニューがほしい
今の環境で、各消費者が医療機関に個別に交渉するのは無理ではないけれど、難しいと思います。大変です。疲れます。ハンバーガー屋さんに行って、ラーメンをくれというような無理な注文をするのならともかく、そうでないのなら、普通に注文してサービスを受けたいものです。そのためには、お任せコース以外のメニューが必要です。
例えば、自然なお産にしても、実際にサービスを提供している所はあります。ということは、条件が揃えば他でもそのサービスを提供する事が可能だということです。消費者を含めた関係各機関が話し合い、消費者の望むサービスがメニューに載ることを期待したい。