陣痛室

お産が近くなって入院すると、多くの施設では陣痛室という部屋が設けられており、産婦さんは出産間近までここで過ごすことになります。剃毛や浣腸を行う施設では、大体ここで行います。少し前までは、剃毛・浣腸を慣例的な処置としている施設が多くありましたが、現在では行わないところも増えてきているようです。

剃毛

お産の時の剃毛は、会陰部の陰毛を剃ったり、はさみで切ったりすることをいいます。脱毛クリームを使うこともあります。

主な目的

剃毛の一般的な目的は、手術する部分の皮膚消毒を確実にするためですが、お産の場合は、会陰切開後に縫合をするときに陰毛を一緒に巻き込んでしまわないようにするという目的もあります。ただ、皮膚消毒に関しては、特に効果が得られなかったという研究があり、また会陰縫合についても、必要な場合のみ対処すれば良いということで、剃毛を慣例的には行わない施設が増えてきています。

浣腸

主な目的

  1. 赤ちゃんが出てくるときに一緒に便が出てきて、母子が細菌に感染することを防ぐため。
  2. 浣腸液を入れることにより、直腸に通っている神経と子宮の筋肉につながっている神経を刺激し、陣痛を起こさせたり、または起きている陣痛を強めたりする
  3. 直腸に便が詰まっていると、赤ちゃんの頭が下降しにくくなるため

1.については、浣腸することによって感染症が減少したという研究データがない一方で、分娩時に便を排出した場合、浣腸した便より、浣腸しなかった便の方が取り除きやすいということがあります。

3.については、浣腸によって分娩の時間が短くなったというデータはありませんが、便秘がひどく、赤ちゃんの頭が下りてくるたびに、直腸にも痛みが走るような人の場合は、効果があると考えられています。

浣腸の効果が特にはっきりと認められないという研究もあり、本人の希望がある以外は、慣例的には行わないという施設も増えてきました。

陣痛室から分娩室へ

陣痛室と分娩室が分かれている場合、子宮口が開いて全開大に近づき、いよいよお産が間近になったところで陣痛室から分娩室へ移動します。

LDRシステム

LDRは、英語のLabor(陣痛)、Delivery(分娩)、Recovery(回復)の3つの単語の頭文字を取ったものです。LDRシステムでは陣痛室・分娩・回復室の機能を持ったLDRルームがあり、陣痛が始まって病院に来たらこの部屋に入院し、出産して、その後回復して退院するまで、ずっとこの部屋で過ごすことになります。普段は、普通の個室と変わらない感じですが、部屋に置かれている家具等に処置に使われる器具が収納されていて、お産の時は、分娩室に早変わりします。
陣痛室と分娩室の機能を持ったLDルームというのもあり、この場合は、回復期は通常の病室で過ごすことになります。

LDRの長所

  • 移動する必要がない
  • よくある殺風景な部屋に比べてリラックスしやすい
  • プライバシーが保たれる
  • 家族の立会い出産がしやすい

陣痛で散々苦しんで、さあいよいよという時に、部屋を移動しなければいけないというのは、本当に辛いし、如何にも不自然な話です。実際、陣痛室と分娩室が分かれていて、お産の最中に移動する必要があるというのは、あくまでも施設の問題です。フリースタイル出産ができるなら別ですが、分娩台でお産をするなら、妊婦にとっては、LDR(LD)の方がずっと楽です。

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