出生時体重の年次推移

妊産婦の救急搬送の受け入れ先が、なかなか見つからないことが社会問題化していますが、病院が受け入れを断る理由として最も多いのが、NICU(新生児集中治療室)の満床です。NICUは重症の新生児や未熟児を治療する特別な施設で、国もその整備を進めてきていますが、依然としてその数が足りない状況が続いており、その背景には、2,500グラム未満の低体重児の増加があるとも言われています。赤ちゃんの出生体重は、過去数十年で、実際にどのように変化してきているのでしょうか。

人口動態統計によれば、2,500グラム未満の赤ちゃんは全体に占める割合は、1951年には、女子が8.3%だったのが、2007年では10.8%、同じく男子では6.4%だったのが8.5%となっています。

また1,000グラム未満の赤ちゃんは、1951年には男女合わせて114人だったのが、2007年には、3,414人(全体の0.3%)とかなり増えています。しかし低出生体重児が、増えたにも関わらず、早期新生児死亡率は15.3(1951年)から1.0(2006年)と大幅に下がっています。つまり、1,000グラム未満の超未熟児で生まれても、生きることが可能となって来ているのです。

性・出生時の体重別にみた年次別出生数の百分率(女)

性・出生時の体重別にみた年次別出生数の百分率(女)

平成19年度厚生労働省人口動態統計の性・出生時の体重別にみた年次別出生数・百分率及び平均体重(女)より1951、1970、1990、2007年のデータを抽出してグラフを作成
性・出生時の体重別にみた年次別出生数の百分率(男)

性・出生時の体重別にみた年次別出生数の百分率(男)

平成19年度厚生労働省人口動態統計の性・出生時の体重別にみた年次別出生数・百分率及び平均体重(男)より1951、1970、1990、2007年のデータを抽出してグラフを作成

以前ならば助からなかった命が、医療技術の進歩で助かるようになったわけで、それ自体は、素晴らしいことですが、超未熟児の赤ちゃんが、NICUを出られるようになるには数か月かかることもあるため、その間NICUを占有してしまうことになってしまいます。そうしたケースがあることも考えると、NICUが足りない状況はまだまだ続くことになるでしょう。またNICUの増床は必要ですが、そのためにはスタッフの確保も含めて、大きなコストがかかります。施設の拡充とともに、赤ちゃんが小さいままに出産に至るケースをいかにして減らしていくのか、今後はその予防対策にも力を入れる必要があるのではないでしょうか。

(2009年2月2日)
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