わこう助産院を見学

まだまだ残暑が厳しい日が続く8月23日、産後院をつくろう@ちばの有志5人で、埼玉県和光市にあるわこう助産院の見学に行ってきました。

和光市は、埼玉県の南端に位置し、南側は東京都と隣接しています。人口は8万人弱で、豊かな自然環境と便利な都市環境をあわせ持つまちとして発展しています。都心からのアクセスが良く、東武線の池袋駅から和光市駅まで20分もかかりません。とはいえ、千葉からはさすがに遠く、電車に乗っているだけでも1時間半くらいかかるので、小さい子連れはかなり大変そうでした。

わこう助産院は、そんな和光市駅から歩いて6分ほどの閑静な住宅街にありました。第一印象は、まさに綺麗で、大きいでした。私自身事前に情報収集していかなかったということもあるのですが、すごく立派な建物で、正直びっくりしました。他の参加者もかなり驚いていたようです。

私たちを出迎えてくれたのは、院長である助産師の伊東優子さんと、同じく助産師の水澤幸枝さんです。カフェもやっているという、一階の広いリビングでお話を伺いました。

助産院開院まで

わこう助産院は、市内の出産施設が少ない状況の中で、産前・産後ケアセンターとしての機能も併せ持つ助産院を求める和光市住民の声と、民間と行政の協力により2011年春に開院しました。隣接する「ぽこ・あ・ぽこ」という知的障害者施設を運営する地主さんが土地と建物を提供し、運営する助産師として、都内の助産院で働いていた伊東さんと和光市在住の水澤さんに声がかかり、わこう助産院がオープンすることになったそうです。

過疎地域の病院や診療所などでは、施設を用意して勤務してくれる医師を探すというケースはよくありますが、助産院でのこうしたケースはかなり珍しいのではないかと思います。しかも、形式的には完全に個人経営であり、院長の伊東さんが大家さんに家賃を払い、他の助産師を雇って運営しているということで、これもまた驚きでした。わこう助産院は入院室が2階に7床あるということですが、地域の助産師会などが運営するならばともかく、通常この規模の助産院を、個人が賃貸して経営することはまずありません。普通に借りたらウン十万円は確実にするところです。家賃の額はお聞きしませんでしたが、実際にはかなり格安で借りられているのではないかと思います。

助産院・産後ケアセンターの運営

開院の時に、市長が来たというくらいですから、注目もされ、広報も充分してきたとは思いますが、2年半経った今でも、助産院としては、まだ軌道に乗るというところまでは行っていないようです。ただ、助産院内に、一般社団法人わこう産前・産ケア後ケア・親子育て・女性健康支援センターを併設しており、和光市の事業委託を受けて市内の「こんにちは赤ちゃん訪問事業」(生後4か月までの赤ちゃんを助産師・保健師が無料で訪問)を行っているので、今後はお産の数も飛躍的に伸びていくのではないかと思います。

肝心の産後入院についてですが、2年余でまだ5件の実績しかないそうです。5件とも都内からの入院で、40歳代の方もいらしたそうです。一泊二日で5万円の料金はやはり割高感がありますし、産後入院そのものがあまり知られていないということもあるのだろうと思います。

施設内を見学

お話を伺った後、施設内を見学させていただきました。施設は木造二階建てで、一階部分に事務室、診察室、リビング、多目的ホールがあり、二階には、分娩室、入院室、トリートメントルーム、浴室があります。各入院室にはトイレ、洗面所、クローゼットが完備されています。各部屋だけでなく、廊下や階段も広く、プチペンションといったような雰囲気でした。一階の多目的ホールでは、ベビーマッサージ教室やアロマ教室、ヨガ教室など妊産婦向けの様々な教室が開かれています。また、たまたまプロの料理研究家の方が近くに、住んでいらして、入院中の食事を作ってくれるほか、院内のリビングで予約制のカフェもやっているということでした。

 

見学を終えて

産後入院を経営的に成り立たせるためには、ある程度のベッド数が必要です。そういう意味ではわこう助産院くらいの規模が必要なのかもしれません。もちろん今のよう料金では、利用者はなかなか増えないでしょうから、何らかの補助が必要となってくるでしょう。国は今後、産後ケアに力を入れていく計画ですが、実際に産後入院が普及するかどうかは、どこに、どれくらいのお金を入れていくかがカギとなってくるでしょう。

出産育児支援を行うNPO法人で事業を行う立場でみた場合、わこう助産院の施設は理想的に思えます。分娩と入院の部屋が二階にあるので、お産の状況にかかわらずイベント・教室や会議などが行えるからです。若草助産院を始める時にも、それを目指して物件を探したのですが、予算などの関係もあり、なかなかうまく行きませんでした。

わこう助産院のような施設で事業を行うことは夢のまた夢ですが、今回の見学はとても刺激となり、一つの大きな目標になりました。お忙しい所、時間を取ってお話ししていただいた伊東さんと水澤さん、本当に有難うございました。(哲)

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