第51回日本母性衛生学会報告

助産師  小林昌代

11月5日に金沢で第51回日本母性衛生学会が開催されました。私たち若草助産院も、今回参加型立会い出産の出産体験調査をおこなって発表してきましたので、報告いたします。
まず、日本母性衛生学会(Japan Society of MaternalHealth)とは、母性の健康に関連する医学、看護学、保健学の研究の発表をしているところで、学会の目的は、『すべての女性の健康を守り、母性を健全に発達させ、母性機能を円滑に遂行させるために、母性衛生に関する研究、知識を深める』というもので、構成は医師、助産師、看護師、保健師、栄養師や養護教諭など様々ですが、一番多い会員は助産師です。

日本母性衛生学会の学術集会は、年に1回開催され、そこでは、助産、性教育、立会分娩など、いろいろなテーマの100近くの研究発表なされます。発表時間は6分で、他に質疑応答の時間が2分あります。毎年開催場所が異なるのですが、今年は石川県の金沢で開催されました。市民講座もあり、今回の学会でのテーマはHPVの予防接種についてでした。市民講座という事もあり、大変わかりやすく最先端の医療を知ることができたのでとても勉強になりました。

さて、私たち若草助産院の参加は、一昨年に次いで2回目で、今回は参加型立会い出産の出産体験調査の発表を行いました。今回の調査について簡単に説明します。立ち会い出産した夫婦47組に対して、出産体験についてのアンケートを行い、夫と妻で出産に対する評価の違いがあるかどうかを調べました。この調査では、夫と妻に同じ質問をして「そう思う」「すこしそう思う」「あまりそう思わない」「思わない」のどれかを選んでもらい、「そう思う」から順次3点、2点、1点、0点と得点をつけ、その合計をグラフにしました。質問内容は4つのカテゴリーに分けられた計18項目で、「お産は楽しかったですか?」や「お産の間、気持ちはゆったりしていましたか?」等、出産の時に感じる心理や行動についての内容でした。

当初は、夫さん方が回答に迷い、空欄が多いのではないかと考えましたが、思っていた以上のご回答をいただき、無事集計を終えることができました。出た結果の中で一番印象に残ったのは、夫も妻と同様な出産体験をしていることが示唆されたことでした。発表後に会場から、「参加型立ち会い出産をしていない夫の調査をしていないのか?」という質問をいただき、「私どもはしていませんが、今後いろいろな施設で調査されるといいのではないでしょうか?」と回答しました。
石川県という遠い場所への出張は初めてで、不安も大きい中、現地で2泊しました。その2日目の夜に医療センターの大川先生や、性科学会の宮原Dr.との夕食に誘っていただきました。普段、食事どころかお話する機会すらない医師の方々との会食で大変緊張しましたが、昔の医療現場の貴重なお話などをうかがい、大変有意義な時間をすごすことができました。学会の醍醐味はこんなところにもあるんだなあと、いい経験をした2日間でした。

この発表をするにあたり、いろいろアドバイスしてくださった諸先生方、向上委員会のスタッフ、そして何よりこの難しい質問に一生懸命回答してくださった夫さんや妻さんに心より感謝とお礼を申し上げたいと思います。有難うございました。

(会報誌「満月」2010年11月号より)
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