松戸市教育委員会訪問~学校給食レポート~

6月28日松戸市教育委員会を訪問し、学校給食についてお話を伺って来ました。松戸市は全国に先駆けて選択方式の給食を導入し、これまでに色々なメディアに取り上げられてきました。給食に対する考え方や運営のあり方が参考になるのではと考え、お話を伺えないかとお願いしたところ、快くお引き受けいただき、今回の訪問となりました。当日は、梅雨の合間のとても暑い日で、学校教育担当部保健体育課学校給食担当室の室長、課長補佐、栄養士の3人が対応してくださいました。

松戸市中学校給食の特徴

松戸市中学校給食の歴史

昭和38年 ミルク給食開始
昭和51年 給食の導入を求める市民約13万人分の署名を集めた陳情が行われた
平成2年 弁当併用メニュー選択方式による 給食開始(古ヶ崎中・小金北中)
平成4年 直営方式で2年検証した後、民間に調理委託する方式で、その他の学校 でも選択方式の給食を順次開始する
平成7年 全21校で給食開始

基本方針

「小学校の延長としてではなく、家庭と生徒の多様なニーズの選択が可能となるような創意と工夫に満ちた給食の提供が望ましい。」(松戸市中学校給食懇話会答申)という提言のもとに、全生徒を対象とした弁当併用の給食を行っています。(松戸市のホームページから)

教育委員会の方からは、自己管理能力を養うことが一つの大きな目的であるという説明がありました。

運営

生徒は弁当または給食のどちらかを選ぶことができ、更に給食は、主食がパンのAメニューか、主食がご飯のBメニューを選ぶことができます。給食を希望する生徒は、献立表を見て、メニューを1週間単位で予約します。

市内20校のうち、当初の2校は自校調理直営方式で始めましたが、選択方式の場合、どうしても配食に人手がかかって難しいということで、その後の18校は自校調理委託方式を採用しています。各校には1階が調理室、2階が食堂の給食棟があり、給食の時間には、生徒、教職員が食堂に 集まって食事をします。(一度に全員が入りきらないので、時間をずらすなどの工夫をしています)

食器は強化磁器食器を使用しており、給食費は、Aメニュー、Bメニューともに1食約344円(牛乳代約44円含む)となっています。

松戸市中学校給食予約カード

給食の実施状況

開始当初は給食の予約率は約70%でしたが、現在では約95%になっているということでした。食に対する考え方は、それぞれの家庭によって異なりますので、今のような画一的な給食のあり方に不満を持っている人は少なくないと思われます。その意味で、松戸市の中学校給食における選択制の試みは注目に値します。20年前まではミルク給食だけが行われ、完全給食の実施という点でみると後発であったということがむしろ幸いし、実施にあたって、保護者や市民の意見や要望を取り入れたり、他の自治体の運営を参考にしたりすることができたことが大きかったのではないかと考えられます。

お弁当との選択制にしたのは、お弁当の良さや家庭の温もりを大切にしたかったからだそうです。また松戸市では、学校ごとに調理を行う自校調理方式を採用していますが、千葉市が行っているような給食センター方式の採用は検討しなかったのですかと尋ねたところ、比較検討したが、コストはかかるけれども、質を重視して自校式にしたという説明がありました。メニューも学校ごとなので、生徒に合わせた、よりきめの細かい対応も可能だと思われます。それにしても、各学校に新たに給食棟を建てたというのは驚きです。

全校で給食が始まった平成7年のアンケートでは、78%が満足と答え、献立を見て考えながら選択できる、手作りで温かいなどがその理由として挙げられました。最近は、大きなアンケートは行っていないそうですが、生徒や保護者の選択制に対する評価は概ね良好と感じているというお話でした。

選択できるということは素晴らしいことですが、お話しを伺っていて、給食の内容について、その課題も見えました。21年度の2種類の給食メニューの選択の割合は、男女別で図のようになり、全体としてはAメニューが49.9%、Bメニューが50.1%とほぼ同じ割合でした。ご飯食の割合が全国平均の週3回を下回り、週2.5回ということになります。図から、女子がよりパンを好む傾向が見られますが、男子も意外にパンを食べていることも分かります。結局、パン食が既に定着しているので、選択制を採ると、同様の結果になるのではないかと考えられます。ただ、おそらく地域差はあると考えられ、農村部では違う結果になるのかもしれません。

メニューの選択割合

千葉市の中学校給食では、生徒の側に選択の余地が全くありません。松戸市のシステムを千葉市にそのまま取り入れることはできないでしょうが、その考え方に見習うべきことは多いように思います。何より、将来を担う子どもたちに投資しようとする姿勢はとても大切だと感じます。選択制ということでいえば、主食に関しては、千葉市でも可能なのかなと思いました。実際、千葉市の保育所では主食は持参することになっているので(3歳以上児のみ)、それほど奇抜なアイディアという訳ではありません。いずれにしても、ただ従来通りのことをやっていれば良いというのではなく、他の自治体の例も参考にしながら、給食をより良いものにするよう、常に考えていくことが必要だと思いました。(哲)

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