米のトレーサビリティ制度と学校給食

米のトレーサビリティ制度が始まる

平成23年7月1日から米のトレーサビリティ制度が完全実施されました。この制度は、米やその加工品の取引等の記録を作成・保存して、何か問題があった時に備えるとともに、産地情報を取引先や消費者に伝えることを目的とするもので、平成20年に発覚した事故米の流通事件をきっかけとして導入されました。

米のトレーサビリティ制度とは

  1. お米、米加工品に問題が発生した際に流通ルートを速やかに特定するため、生産から販売・提供までの各段階を通じ、取引等の記録を作成・保存します。
  2. お米の産地情報を取引先や消費者に伝達します。

対象品目(主なもの)

米穀:もみ、玄米、精米、砕米
主要食糧に該当するもの:米粉、ミール、米菓生地、米こうじ等
米飯類:各種弁当、各種おにぎり、ライスバーガー、赤飯、おこわ、包装米飯、発芽玄米、乾燥米飯類等の米飯類(いずれも、冷凍食品、レトルト食品及び缶詰類を含む。)
米加工食品:もち、だんご、米菓、清酒、みりん等

学校給食は対象外

米の産地が消費者に伝えられるということで、学校給食では、どんな風にして知らされるのかと思いきや、なんと学校給食は対象外となっているのです!農林水産省のホームページの中の米のトレーサビリティ制度に関するページを見てみると、社員食堂は食事の提供を事業として営まれているので産地情報伝達の義務があるが、学校給食は一般消費者に対する提供ではないため不要と明記されているのです。いったいどういうことなのでしょうか?

千葉市教育委員会に電話

取りあえずは教育委員会の給食担当の部署に電話です。米のトレーサビリティ制度が始まったけれど、学校給食では何か取り組みを行う予定はありますかと尋ねると、「はっ?何ですか?」という反応。電話口の方は初めて聞いた言葉だったようです。義務がないのだから、無理もないかもしれません。最後には、貴重な情報を有難うございましたと言っていただきました。

農林水産省に電話

そもそも学校給食を対象から外す農林水産省が悪い。というわけで、農林水産省に電話しました。

農林水産省の担当者とのやり取り(概要)

◇向上:社員食堂は産地情報伝達の義務があるのに、なぜ学校給食ではないのか。
◆担当:社員食堂は事業でやっているが、学校給食は教育の一環であり、事業ではないから。
◇向上:事故米がきっかけで始まった制度で、給食にも事故米が入っていたのに、給食を外すのはおかしい。
◆担当:事業ではないので義務はない。社員は食べる食べないの自由はあるが、給食には食べる食べないの自由はない。そもそも、選ぶ権利すらない。
◇向上:自由がないから教えなくていいということなのか。
◆担当:いや、そういう訳ではなくて、事業ではないので義務はない。
◇向上:学校給食でも業者間で取引情報は伝えているわけでしょう。
◆担当:そう。伝えるかどうかは学校の判断ということ。

電話のやり取りは、上に示した通りですが、本当にバカにしたような話です。しかし実際、学校給食はそんな捉え方をされているのでしょう。選べないから、他で売れないものでも、何でも押しつけても平気だというようにも聞こえます。モノを言わない消費者は何も得ることができません。声を上げていかなければいけないと思います。(哲)

(会報誌「満月」2011年9月号に掲載)

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