健康のツール 手当療法

助産師 小林  昌代

私が外来で手当療法をしていると、手を当てている部分からピリピリと電気みたいな響きが伝わってくることがあります。頭の部分からピリピリが伝わることが多く、そのような感じが伝わる時は、携帯電話を頭の上に置いて寝ていませんか?とお聞きすると、たいてい「はい」という答えが返ってきます。

上向きで寝てもらって手を全身に充ててその後うつぶせになってもらい、背中に手を当てるのですが、その時に頭がピリピリする方はたいてい肩甲骨の位置の背中のツボもかなり凝っています。その部分は肺のツボがあり、呼吸が浅くなるとそこが固く凝ることもあります。また、胃を支配する交感神経の神経繊維は肩甲骨の間にあって第6胸髄から第10胸髄より出て、大小内臓神経を経由し腹腔神経そう叢に達しています。肩こりは、胃腸の調子にも影響するといっている人もいます。

外来では、忙しく過ごしいているお母さん方にも肺のツボが固く感じる時があります。きっと子育てと仕事がとても忙しく、息つく暇もないのでしょう。そんな時、頭頂、額、後頭部、目、顎にまんべんなく私の両方の手のひらを当て、気を流していき、頭のピリピリする感覚がなくなると、背中のコリがよくなっていることがよくあります。背中を押して見ると最初よりも柔らかくなっていることをご本人さんも一緒に確認することができます。このような作業は体の声を聞く、という意味がよくわかる良い作業だと思います。自分の体の声を聞けるということは心の声を聞くこともでき、自分自身に関心が行くようになります。そうなると、私たちがいろいろ言わなくともおのずから、体の変化を敏感に察知し、自己管理できるようになり、健康な体つくりができるようになるのだと考えます。

まずは、自分の心と体に気を落とす事、それが健康への第一歩。手当療法はそんなことを知ることができるとてもいいツールなのだと感じています。

(会報誌「満月」2012年12月号に掲載)

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