助産所における産婦人科の嘱託医確保義務付け

医療法及び関連法令の改正に伴い、19年4月から、入院施設のある助産所の嘱託医等の要件が変わりました。これまでは、嘱託医の診療科を問わなかったため、内科など専門外の嘱託医も認められていましたが、産科又は産婦人科に限られることになりました。また、併せて産科又は産婦人科の嘱託医と、産科又は産婦人科及び、小児科があり、新生児への診療を行うことができる病院又は診療所を嘱託医療機関として定めることが義務づけられることになり、1年間の猶予期間を経て、20年4月より完全実施されます。今回の改正は、実質的なバックアップ体制が整えることで、医療行為を行なえない助産所でのお産の安全性を高めようとするもので、助産所で出産するお母さんと赤ちゃんにとっては、歓迎すべきことです。

一方で、今回の改正、及び施行の過程で幾つか気になる点がありました。一つは、これまで医療機関との連携が必ずしも十分ではなかった助産所にとっては、産科の嘱託医や搬送先医療機関を確保することは容易なことではなく、廃業の危機に追い込まれる施設も少なくなかったことです。厚生労働省や関係各機関は、もう少し仲を取り持つ働き掛けをするべきだったのではないでしょうか。こういう形で、お産のできる施設が減ることは残念なことです。

また今回の改正で、自宅のみでお産を扱う助産所が全く対象とならなかったことにも疑問が残ります。同じ助産所なのに、自宅の場合は、嘱託医も搬送機関も定めなくていいというのは、理由が全く分かりません。何かあったときに困るのは、お母さんと赤ちゃんなのですから、どこで産むかに関わらず、安心して産めるようにするために、自宅分娩に関しても、産科ネットワークの枠組みの中に取り込んでいくことが必要です。

(2008年3月30日)

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